できるだけひらがなとカタカナを使いましょう
ほとんどの出版社が絵本の対象年齢を決めています。
その対象年齢(学年)で使われている漢字以外は使わないようにしましょう。
できれば、できるだけ、ひらがなとカタカナで書きたいものです。
しかし、ひらがなとカタカナばかりが続く文章は読み辛いですよね。
そのために、絵本では『分かち書き』という、文節で区切って空間を入れる方法がよくとられます。
分かち書きには明確なルールはなく、出版社や作家によってそのルールは違います。
つぎにきたのはあかいふくをきたおんなのこでした。
→ つぎに きたのは あかいふくをきた おんなのこでした。
正確な日本語を使いましょう
子どもが初めて出会うのが絵本です。
大人になると、日常生活でいい加減な言葉を使いがちです。
しかし絵本の言葉は正確な日本語でなくてはなりません。
「通じるんだからいいだろう」という、いい加減な言葉は使わないようにしましょう。
難しい言葉は簡単な言葉に置き換えましょう
読者は小さい子どもが多いので、漢字熟語などの難しい言葉は、わかりやすい言葉に置き換えましょう。
岩石が海底に沈んだ。
→ おおきな いしが うみのそこに しずんだ。
縦書きか横書きか
絵本には右開き(右綴じ)のものと左開き(左綴じ)の2種類があります。右に開く絵本の場合は、本文が縦書きに、左に開く絵本の場合は、本文が横書きになります。
家から出て散歩に行ったり、公園へ行ったりと、どこかへ出かける行為は左から右に流れて行きますので、右向きになります。そのためには左綴じの絵本が適しており、文は横書きになります。
文字数は少なめに
絵本を作るときは文字数が多くならないように気をつけましょう。
説明が多すぎて、お話の流れがスムーズにいかなくなることがあるからです。
レースの たくさんついた ピンクの ドレスをきた ももちゃんは、しろいひげの めのおおきな おじいちゃんに まっかな はなたばを プレゼントしました。
童話など絵の少ないお話でしたら、このような説明が必要になりますが、絵本には“絵”がありますので、絵で表現できているところを全て言葉にする必要はないのです。
絵本の場合、文字がなく、絵だけで表現されるページもあるくらいです。
言葉がないことで、その場面がもっと盛り上がることがあるということを覚えておきましょう。
出来上がったら、声に出して読んでみましょう
絵本は、ひとりで読むこともありますが、読み聞かせをすることが多いものです。
ですので、文章ができた時には声に出して読んでみることが大切です。
何度も声に出して読んでみると、引っかかるところに気がつきます。
そのときは、他の言葉に置き換えてみましょう。
「もしかしたら、この言葉はなくてもいいのでは?」と思ったところは、飛ばして読んでみましょう。 そうしても意味が通じれば、その言葉は削ぎ落していきます。
多くの文の絵本作家は、絵が出来上がってから、絵を見ながら余分な言葉を削ぎ落すという作業をしています。
絵本の文章を作るときには、「子どもが読む」ということを常に頭に置いて、正確な、短くて適切な言葉を使うことに気をつけながら、書いていきましょう。