美大を出ていないとダメ?
絵本作家になるための、特別な資格はありません。
絵本作家といっても、例えば、『ぐりとぐら』の中川 李枝子(なかがわりえこ)さんのように文章だけ書く人もいます。
絵本作家を目指すときに“絵と文の両方”をやりたいのか、“絵だけ”をやりたいのか、“文章だけ”をやりたいのか、考えてみましょう。
絵本作家に資格はないとはいえ、もしも絵を描きたいのであれば、ある程度の絵やイラストは描けなくてはなりません。そのため、絵の専門学校や、美術大学を卒業している絵本作家さんも確かに多いです。
『おまえうまそうだな』
『おまえうまそうだな』などで有名な宮西達也さんは、日本大学藝術学部美術学科卒ですし、『あさになったのでまどをあけますよ』をはじめとするたくさんの絵本を手がけている荒井良二さんも日本大学芸術学部芸術学科卒業です。
『あかちゃんのあそびえほん』シリーズは累計900万部のベストセラーとなっているきむらゆういちさんは多摩美術大学卒業です。
しかし、そういった基本がなくても個性豊かな絵で絵本を描いている人もたくさんいます。
『ぐりとぐら』
『ぐりとぐら』の山脇 百合子(やまわき ゆりこ )さんは、上智大学外国語学部フランス語科卒ですが、なんと同校在学中から『いやいやえん』(絵本)の挿絵を手がけていました。
『だるまさん』
『だるまさん』三部作シリーズで有名なかがくいひろしさんは、東京学芸大学教育学部を卒業し、美術教員として教鞭をとりながら、人形劇活動や造形作品の発表を行っていました。
『おじいちゃんのおじいちゃんのおじいちゃん』
個性的な絵で大人気の長谷川 義史(はせがわよしふみ)さんは、大阪府立の高等学校卒業後にデザイン会社に就職し、グラフィックデザイナーを務めた後にイラストレーターに転向しました。
その後、『おじいちゃんのおじいちゃんのおじいちゃん』で絵本作家として活動を開始しています。
このように、“絵本の絵を描くのに、絵の専門学校や、美術大学を卒業している、していない”、はそれほど重要なことではないのです。
いかに、お話の内容に合った、個性的な絵が描けるかにかかっているのです。
プロの絵本作家として必要なスキルとは?
プロの絵本作家としてやっていくために最も重要なスキルは、表現力です。
子供はまだ、人生経験も少なく、事細かなことを説明してもわかりません。
そのため、絵と、文章でわかりやすく伝えることが大事なのです。
絵本は、子供の心に訴えるものでなければなけません。そのために、絵本作家は、子供の目線で考える感受性が求められます。
日頃からいろいろなものに興味をしめし、小さいことでも感動することができるタイプが、絵本作家に向いています。
子供に対して深い愛情があり、子どもたちを感動させたい、これを伝えたい!という強い想いがあることも大事な要素です。
絵本作家になるための、資格は必要ありませんが、その熱い想いは必要なのです。